おすすめの本「月の影 影の海 」の感想・レビュー!

こちらの記事では、おすすめの書籍「月の影 影の海 」を紹介しています!

月の影 影の海 」面白そうですよね。ただ読む前に他の人が読んだ感想を確認しておいた方が良いでしょう。

この記事では、「月の影 影の海 」を実際に読んだレビューを載せています。ぜひご覧ください!

おすすめの書籍: 月の影 影の海

『月の影 影の海』は、小野不由美さんによる壮大なファンタジー「十二国記」シリーズの本編第1作目です。

息苦しい毎日を送っていた平凡な女子高生、陽子のもとに突然ケイキと名乗る見知らぬ男が現れ、異世界へと連れ去られます。

男とはぐれた陽子は訳も分からぬまま、異形の怪物が跋扈する異国をさまようこととなります。

知らない土地、知らない文化、知らない人々の中で翻弄される陽子。所詮ファンタジーだし、と生半可な気持ちで読もうものなら、微細に作りこまれた世界観と容赦なく立ちはだかる厳しい現実に震えることでしょう。

様々な苦難に見舞われながら、陽子は自分がなぜこの世界にやってきたのか、あの男は、そして自分は何者なのかという答えを探していきます。

ここから始まる途方もない物語を予感させる作品です。作者の小野不由美さんは大分県の中津出身。

大谷大学在学中には京都大学推理小説研究会に所属していました。夫は同じく作家の綾辻行人さんです。代表作は十二国記シリーズや『屍鬼』『黒祠の島』『残穢』など。

本格ミステリー、ファンタジー、ホラーなどのジャンルで活躍しています。2013年にはドキュメンタリー風ホラー『残穢』が山本周五郎賞を受賞、2016年に実写映画化され、あまりの怖さに話題を呼びました。

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おすすめの 月の影 影の海 のレビュー①読んだきっかけ

推理小説をよく読むので、もともと綾辻行人さんのファンで小野不由美さんの名前も知っていました。シリーズの存在も知っていたのですが、冊数が多いし、読書に割ける時間が限られるのでなかなか手を出せずにいました。

この本を読むことになった直接のきっかけは、2019年11月に十二国記の最終巻が刊行されることが話題になったこと、本好きの友人に未読ならこの機会に是非読んでおくといいと強く勧められたことです。

この友人とは普段それほど読む本が被らないのですが、二人とも子どもの頃にナルニア国物語やゲド戦記、ミヒャエル・エンデの作品などを好んで読んでいて今でもよく読み返すので、私ならきっとはまると言われました。

時間が確保できそうだったので、7月頃に紀伊国屋書店で購入しました。同じく勧められたシリーズに天冥の標があってどちらを先に読んでみるか悩んだのですが、SF的な作品にあまり慣れていないので中国系ファンタジーと聞いていたこちらを選びました。

天冥の標の方はハヤカワ文庫で若干お値段がはるというのもありました。また、新刊書店には置いていませんが古本屋には講談社文庫やホワイトハート文庫のものが置いてあったのですが、装丁の好みと最新刊が出版されていることから新潮文庫版を買うことにしました。

おすすめする 月の影 影の海 のレビュー②お気に入りポイント・満足な点

読んでみて唸ったのが世界観の緻密さです。

主人公の陽子は全く何も知らない状態で異世界に放り込まれたわけですが、そちらの世界の人々の暮らしぶりが非常に作りこまれています。

まずたどり着いた場所からも地形や自然の有り様がわかるし、人に出会えば庶民の暮らしぶりや文化が見えてきて、旅していくと役所の仕組みや役人の仕事、交通手段や税金など行政や法律の仕組み、国の成り立ちまで、読み進めるにしたがって多岐にわたる情報が自然と織り込まれてきて、フィクションであることを疑いたくなってきます。

一週目は陽子と一緒に首をひねって、学びながら進み、世界のことを大体理解した二週目にああこれはこういうことだったのか、この出来事の裏にはこんなことがあったのかと納得の嵐。

安心してどっぷりとつかることができます。「異世界モノ」はここ数年流行していますが、1992年に初めて発行されたこの「異世界」は恐ろしいほどシビアで、知らない世界に飛ばされることの残酷さを見せつけられた気持ちになりました。

そういう「フィクションの甘さ」が全くないところも好きなポイントのひとつです。山田章博さんの可愛すぎずリアル過ぎない綺麗なイラストもストーリーを引き立ててくれます。

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月の影 影の海 のレビュー③不満だった点

不満な点というのはほとんどないのですが、強いて言えば漢字の読みがかなり難しいです。特殊なルビが多く、意識的に覚えていかないと読み方を忘れて読み返すことが多くなります。

固有名詞や土地の名前が大体漢字二文字なので、どこがどこだったか、誰が誰だったか混乱しやすいです。こまめに巻頭の地図を参照したり、名前をメモしたりする必要がありそうです。

また、前半は厳しい展開が続き、なかなか希望の光が見えてこないので人によっては途中で心が折れてしまうかもしれません。

描写の厳しさは魅力でもありますが、本編1作目から躓いてしまう人も多そうです。

加えてこれは内容ではなく装丁や編集の問題ですが、新潮文庫の裏表紙にはたいていあらすじが書かれていますが、このシリーズはネタバレがひどいです。

本の序盤の展開はまあ書くものですが、中盤終盤まで読まないとわからないことが書かれてしまっています。

ネタバレを好まない人でも本を買おうか考えるときやレジで精算を済ませるときに裏のあらすじを読むことは多いと思うので、読者の楽しみを奪わないためにもう少しあらすじを精査してほしいと思います。

内容が素晴らしいだけに、これは本文で知りたかった!と歯噛みしてしまいます。

まとめ

購入したきっかけ・理由や実際に使用した感想についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

ぜひこちらの感想も踏まえて読んで見ることを検討して見て下さい!

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