「沈黙」の感想・レビュー!は遠藤周作によるキリスト教を題材にした不朽の名作!

こちらの記事では、書籍「沈黙」を紹介しています!

作者の遠藤周作は幼い頃満州で育ち、叔母の影響で12歳にしてカトリック教徒となりました。生涯、敬虔なカトリック信者でした。

慶応大学を卒業後、昭和30年に「白い人」で芥川賞を受賞し、この『沈黙』という作品は第二回谷崎潤一郎賞受賞作品でもあります。

以下、読んだレビューを書いています。ぜひご覧ください!

おすすめの書籍:沈黙

江戸時代、島原の乱も終わって、鎖国が本格的に始まろうとしている日本に、布教のためにやってきた一人の青年宣教師が直面する悲惨な現実と、おのが身に降りかかる危機、神に救いを求めて信じ渇望する気持ちから、やがて絶望へと進む内容です。

青年宣教師が理解できなかったのは、この悲惨な現実に対する神の意図だけではなく、日本人キリスト教徒たちが、キリスト教に何を求めているのか?ということも正確に理解しきれていませんでした。

青年宣教師は、神の教えが伝わり切れてないことの理由や日本人信徒たちの求めている救いを徐々に理解していくのですが、そこに到達するには、壮絶すぎる苦悶の道を通らねばなりませんでした。

青年宣教師は、何を知るのでしょうか。作者の遠藤周作は幼い頃満州で育ち、叔母の影響で12歳にしてカトリック教徒となりました。

生涯、敬虔なカトリック信者でした。慶応大学を卒業後、昭和30年に「白い人」で芥川賞を受賞し、この『沈黙』という作品は第二回谷崎潤一郎賞受賞作品でもあります。

他の作品で興味を引かれたのは『王妃 マリー・アントワネット 上・下』で次にもうと思ってすでに購入してあります。

▼商品のページはこちら▼
沈黙

沈黙 のレビュー①読んだきっかけ

この『沈黙』を読もうと思った最初のきっかけは、約20年前の学生時代の記憶でした。

当時大学生だった私は、友人がこの本を読んでいるのを目にしたことがあります。

表紙がいささか暗かったので、めんどくさそう…面白くなさそうだな…と思い、手に取ることはありませんでした。

しかし、今年の7月に偶然立ち寄ったブックオフで見かけて、当時の記憶が蘇りました。

「今なら、読めるかもしれない。」もう他の本に目をくれることなく、本棚からこの本を手に取り、まっすぐレジに向かって買いました。

この20年の間に、この『沈黙』という作品が、どれほど有名かは沢山の人に教えられてきたので、重厚な作品であることはわかっていました。

それでも買うどころか、検索すらしなかった自分の愚かさにあきれ果てるばかりです。

20年かけて、やっとこの本を読める時が来た、と感じた次第です。

この本をブックオフで見つけて買った時、他に購入の比較対象になった本はありませんでした。

単純に「何か面白い本はないかな~」をふらりと立ち寄ったブックオフで、やっと出会えた『沈黙』は、私にとっては、まさしく「神の啓示」のごとき存在で、するすると引き寄せられたのです。

この本しか目に入らない、という状態で買うことになった不思議な本でした。

▼商品のページはこちら▼
沈黙

沈黙 のレビュー②お気に入りポイント・満足な点

まず、作品の構成の仕方が素晴らしい!と感じました。

客観的な視点から物語は始まり、次に一人称で物語は進み、最後に三人称で急展開する物語というものは、初めて経験した気がします。

過去にこんな作品があったかな?と思わず、途中で手を止めて、前のページをパラパラめくり返してしまいました。

内容が内容だけに、予備知識があったほうがスムーズに理解は進むと思うのですが、それがなくても、随所に散りばめられている伏線に気づけば、クライマックスのシーンでは、「おぉ…!」となると思います。

私はその伏線に全く気付かず読み進めてしまい、クライマックスのシーンでは「あぁ…そういうことかっ!」となってしまいました。

このクライマックスシーンは、本当に感動するポイントだと思います。小説全体の話の進み方に気を取られ、気づけば主人公にどっぷりと感情移入してしまい、号泣しそうな気持で読んでいました。

こんな気持ちで読んだ本は久しくなかったので、読んで終わった後は、鳥肌がたつ思いでした。決して軽くはないテーマで、これほどまでに読者をひきつけてしまえる作者の技術力が本当に素晴らしいと思います。

内容のみならず、その点もこの本に満足している部分です。また、作者が活躍した時代に、このキリスト教をテーマに取り上げたのは、面白い視点だと感じました。

沈黙 のレビュー③不満だった点

書籍について、気に入らない理由という点ですが、内容的に不満は全くありませんでした。

あと、小説の中の最後の江戸時代の記録形式の表記の部分ですが、あの部分を現代語訳で表現してほしいです。

単純に読みづらく、内容があまりに理解しにくかったからです。あの部分が現代語訳で書かれていれば、ラストの部分は読み飛ばしたりせずに、本腰入れて読んだのになぁと思います。

しかも、第三者の記録形式ではなく、三人称のまま、内容を続けて欲しかったです。最後の部分の記録形式は、作者が書いたものだということは理解しているのですが、どうにかならないのでしょうか?

逆に、作者はなぜ、あのような記録形式の江戸時代をあえて演出するような表記方法を採用したのだろうか?と疑問に思ってしまいます。

▼商品のページはこちら▼
沈黙

まとめ

購入したきっかけ・理由や実際に使用した感想についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

遠藤周作の名作、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか!?

▼商品のページはこちら▼
沈黙