おすすめの本「告白 (双葉文庫) 」の感想!

こちらの記事では、おすすめの書籍「告白 (双葉文庫) 」を紹介しています!

告白 (双葉文庫) 」面白そうですよね。ただ読む前に他の人が読んだ感想を確認しておいた方が良いでしょう。

この記事では、「告白 (双葉文庫) 」を実際に読んだレビューを載せています。ぜひご覧ください!

おすすめの書籍:告白 (双葉文庫)

終業式の日、女性教師・森口は、「自分の娘は、このクラスの生徒に殺された」と言い残し、学校を去りました。

森口は犯人2人の名前を伏せて事件の顛末を語りましたが、クラスメイトにはそれが誰だがすぐに分かりました。そして犯人のうち、ひとりは春休み明けから学校に来なくなり、引きこもりや異常行動を加速させていきます。

もうひとりは平然と学校に通い続けるも、やがて「制裁」の名を騙ったいじめの標的になります。物語の語り部が移り変わるにつれ、次第に事件の全体像が明るみになっていきます。

作者紹介:27歳の時に結婚し、28歳で第1子を出産。創作活動は結婚後にはじめ、2007年に「答えは、昼間の月」で第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞しました。

同年、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し、小説家デビューを果たします。2009年、第6回本屋大賞を受賞した本作「告白」は、2010年に松たか子主演で映画化されました。

おすすめの 告白 (双葉文庫) のレビュー①読んだきっかけ

私がこの作品を手に取ったのは、映画館で観た告白に衝撃を受けたことがきっかけでした。

私は今でこそミステリ作品好きですが、高校生だった映画公開当時はミステリ作品にほとんど興味がなく、むろんイヤミスというジャンルも知りませんでした。

そんな私がなぜ告白を観に行ったのか、そのきっかけは全く覚えていませんが、衝撃的なストーリーや緻密な構成、メリハリの利いた映像にショックを受けたことは鮮明に覚えています。

告白という作品に触れることは、私にとって全く新しい体験でした。そして私は、この素晴らしい作品の原作をぜひ読まなくては、と思い、迷いなく本作を購入しました。

当時は映画が絶賛公開中の時期でしたから、本屋に単行本が平積みされていて、見つけやすくて助かりました。

しかし、映像でのインパクトが強すぎたせいか、いざ原作を読んでみても、映画以上の衝撃を受けることはできませんでした。

そうして数年間寝かせ、久しぶりに読み返してみたのがつい先日のことです。映画館で本作を見た時の衝撃が、そのまま私の胸を打ちました。

読み返して改めて、この作品を買っておいて良かったと心の底から思いましたし、本作の衝撃を忘れるほどの間、本棚で寝かせておいて良かったと思います。

おすすめする 告白 (双葉文庫) のレビュー②お気に入りポイント・満足な点

娘を自分のクラスの生徒に殺されたと語る女教師、犯人のクラスメイト、犯人の家族、犯人…と、語り部が移り変わり、そうして物語が語られるにつれて、冒頭で語られた以上の事件の全貌が明らかになっていく、という構成が本当に素晴らしく、作品の中にグングン引きこまれます。

冒頭で事件の顛末がほぼすべて語られたことには驚きましたが、さまざまな語り部の目を通してみると、事件そのものの見え方も一通りではなく、また森口から語られた以上の真実も存在するところに何度も衝撃を受けました。

視点転換はほぼ各章の切り替わり部分にしかありませんから、めまぐるしく視点が変わってよく分からない、といった事態にも陥らず、スムーズに読めます。むしろ、文章が巧みすぎて目が離せず一気読みしてしまうほどです。

語り部ごとに、語り方が違うように感じるところも面白く、また生々しくもあり、作中で起こった事件を余計にリアルに感じます。

また、娘を殺した犯人に対する森口の復讐の手腕、そして容赦のなさが痛快であるとともに、その躊躇いの無さ、感情的な行動と相反するかのような淡々とした語り口調にゾッとさせられます。

映画化もされたベストセラー作品に今更かもしれませんが、より多くの人に読んでほしいと思える、非常におすすめな作品です。

告白 (双葉文庫) のレビュー③不満だった点

冒頭(第一章)は森口の語りだけで構成されており、森口の感情を押し殺しに押し殺した淡々とした語り口調は好きなポイントでもあるのですが、”「辞めるのはあれが原因か?」そうですね。

“といったように、生徒のセリフをそのままオウム返しにする場面がたびたびあり、そこだけ違和感を感じます。

私はドラマなんかでも、電話に出た登場人物が「なに!?〇〇だと!?」と話し相手からの言葉を視聴者向けに口から出す表現に毎回違和感を抱いてしまうタイプなので、森口のオウム返しの表現だけは気になってしまいました。

生徒からの質問などは、森口のセリフとしてではなく、単純に生徒のセリフとして入れてしまっても良かったのではないかな、と思いました。

また、特に森口の語りのパートでは改行が少なく、しかもそれが物語の冒頭部分に配置されているので、あまり小説を読んだことがない人から見るとハードルが高いように感じられるかもしれません。

私のように映画がきっかけで本作を手に取った人は多いと思いますし、その中には小説は苦手だと考えている人もいると思うので、少し残念です。

しかし、ストーリー自体に気に入らない点や改善してほしいポイントは一切ありません。

まとめ

購入したきっかけ・理由や実際に使用した感想についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

ぜひこちらの感想も踏まえて読んで見ることを検討して見て下さい!