こちらの記事では、Amazon Kindle書籍「旅になる木」を紹介しています!
著者である星野道夫さんが20代でアラスカに移住し、アラスカの文化や人々との生活や極寒の地で生きるための知恵を身に付けていく様子を描いた随筆です。
以下、読んだレビューを書いています。ぜひご覧ください!
Amazon Kindleおすすめの書籍:旅になる木
星野道夫「旅になる木」。1978年に26歳でアラスカに渡って以来、アラスカの文化や人々との出会いをとおして、厳しい自然とともに生きる知恵を古来からの伝統とともに体得していく過程を短編でまとめている珠玉の随筆集です。
日本にいると想像もつかないような厳しい寒さのアラスカで、地に足を付けて暮らしている人々は、自然に対してもよそ者に対しても警戒を怠らないのです。
そんな彼らとじっくり向き合うことで、彼らの心を次第に開かせていく星野さん。
日本のような温暖な気候とは違い、外出するにしても一つ道を間違えたりすれば命取りになりかねない時期もあるが、だからこそ生の喜びをダイレクトに感じる、そんな生活が生き生きと描かれています。
星野道夫さんは1952年生まれの写真家であり探検家、そして優れたエッセイストでもありました。
1989年に第15回木村伊兵衛写真賞で評価され、写真家としてもアラスカの動物や自然を私たちに届けてくれたのですが、1996年に日本のテレビのロケのコーディネーターとして、ロシアのカムチャッカ半島にてキャンプの就寝中にヒグマに襲われ亡くなってしまいます。
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旅になる木
Amazon Kindle旅になる木 のレビュー①読んだきっかけ
星野道夫さんの写真をたまたま、出先の喫茶店で見ていたら、友人が「ああ星野道夫だね」と話し始めました。
そこで、彼の数奇な人生をかいつまんで友人が説明し、そのエッセイのファンだというので興味を持ちました。
文庫版があり、手ごろな値段だったこともあり、すぐアマゾンのインターネットで注文しました。
自分はエッセイでは阿川佐和子さんが好きで、ちょうど彼女の「どうにかこうにかワシントン」という、TBSのニュース番組を辞めてワシントンに留学した時の話を買おうかと思っていました。
しかし、やはり大好きなアラスカに行き、そこで野生の生き方を知り、便利で快適な日本での生活に戻ることもなく、厳しい自然をとり続けたのはなぜなのか、知りたいと思いました。
その生活が気に入っていたことは、さきの喫茶店で見かけたカリブーの群れを撮影した写真を見てもわかります。
なので、自分もアメリカへの留学経験があるので、自分の留学生活とシンクロして「ああわかるわかる」と共感する阿川さんのエッセイよりも、今回は星野さんの「わたしにはおそらく理解できない、知らない生き様」をひも解くほうが何か刺激を得られるのではないか、と考え、このたびは「旅をする木」を選びました。
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旅になる木
Amazon Kindle旅になる木 のレビュー②お気に入りポイント・満足な点
星野さんはもともと大学時代から探検部に所属して、「未知なる世界」を知ることに興味があったようです。
そして、26歳でアラスカ大学を受験した際も、「絶対に行く」と決めていたからには、英語のスコアが足りず落とされても、学長に直談判して合格を勝ち取ってしまうように、ご自身も開拓者精神あふれるひとでした。
このようなガッツがある人でも、とても抑えた筆致ながら、静かに悲しみを描く話が胸にささりました。友人である、ブッシュ・パイロットのドンの死でした。ブッシュ・パイロットは広大なアラスカではなくてはならない仕事です。
だって、鉄道も道路も整備されていない場所もあるし、なにより雪に閉ざされるシーズンには、陸路は使い物になりません。
どんな辺境の地へも彼らが人間や物資を運んでくれるから、生活が出来ている人たちがアラスカに入るのです。
でも、もちろん天候の変化の激しいアラスカでは、突然の吹雪にも遭遇するし、命がけの仕事でもあります。
危険と隣り合わせでなり手が減り、熟練のブッシュ・パイロットですら死と隣り合わせななか、未熟なパイロットはなおさら、事故にあってしまいさらになり手がいない。
必然的にベテランに仕事が集中するという悪循環の中、ついに星野さんの親友ともいうべきドンも命を落とします。
その時の星野さんのショックを、最終的に「アラスカという地に住む者の宿命」として受容していく心の動きが衝撃でした。
日本での日々の生活とはスケールが違いすぎ、シンプルに生きるということを見つめなおしてしまいます。
Amazon Kindle 旅になる木 のレビュー③不満だった点
星野道夫さんのエッセイで、もちろん文庫本なので料金も安いから仕方ないとは思うのだが、できればもう少し星野さんの写真の中から、このエッセイが書かれた時期と重なる作品をカラーで入れてもらえたらうれしいです。
というのも、このエッセイを書いていたころ、彼はこういうものを追っていたのか、と双方を知ることで、彼の人生が立体的に浮かび上がってくると思います。
もちろんカラー印刷代金は、読者が負担しなければならないと思いますので、印刷代金や写真の版権を持っている出版社との交渉など難しいこともあるのはわかります。
しかし、日本が生んだ不世出のアラスカ写真家で、非業の死を遂げた星野さんにはいまだにファンも多いのです。
なので、そのプラス分を支払っても、新版「旅をする木」を読みたいと思う読者はいると思います。
あとは、これも可能ならという願望ですが、サラ・ペイリン副大統領候補も出てくるように、アラスカもいまやアメリカ本土とも以前よりも結びつきが密接になってきました。
星野さんの愛したアラスカの最近の変化をも知ってみたいと思いました。
星野さんと結びつきのある方でアラスカ在住の方が、その後日談として最近のアラスカがいまだに以前のように自然と共生できているのか、ブッシュ・パイロットはたとえばドローンによって幾分負担が減っているのか、など最近の状況をあとがきなどの付録にのせてくれたなら、星野さんの生きた時代の記録がいかに尊いのか、また再認識できる気がします。
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旅になる木
まとめ
購入したきっかけ・理由や実際に使用した感想についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
ご興味をお持ちの方はぜひご一読ください!
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