こちらの記事では、Amazon Kindleおすすめの書籍「ゴールデンスランバー」を紹介しています!
Amazon Kindleの「 ゴールデンスランバー 」面白そうですよね。ただ読む前に他の人が読んだ感想を確認しておいた方が良いでしょう。
この記事では、「 ゴールデンスランバー 」を実際に読んだレビューを載せています。ぜひご覧ください!
Amazon Kindleおすすめの書籍: ゴールデンスランバー
ゴールデンスランバー、著者の伊坂幸太郎は1971年の5月25日に千葉県松戸市で生まれて、県内でも屈指の進学校もあり制服のない自由な校風の学校としても有名な小金高等学校に合格します。
高校卒業後は東北大学の法学部へと進学し、以後生活の拠点となったのはこの小説の舞台にもなっている宮城県仙台市です。
1996年に発表された処女作「悪党たちが目にしみる」が第13回のサントリーミステリー大賞において佳作に選ばれますが、それ以後はシステムエンジニアとしての仕事が忙しくてなかなか執筆活動に専念できません。
2005年に「オーデュポンの祈り」で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を獲得したのを機に勤め先を退職して、小説家としての活動を本格的にスタートさせます。
本作品は2007年の11月29日に新潮社から刊行されていて、トーハン調べによる2008年の年間ベストセラーでは単行本・文芸部門の第8位にランクインしました。
3年後に発売された文庫バージョンも2011年度の上半期ベストセラーの第7位に輝いていて、2018年には韓国でも映画化されています。
久しぶりに帰郷した青年が首相暗殺の汚名を晴らすために、大学生時代の仲間たちと巨大な陰謀へと立ち向かっていく逃走劇です。
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ゴールデンスランバー
Amazon Kindleおすすめ本:ゴールデンスランバーのレビュー①読んだきっかけ
古くは妻殺しの濡れ衣を着せられたリチャード・キンブルの逃避行をテーマにしたアメリカの連続ドラマ「逃亡者」から、ごく最近では殺人犯と間違われた日本人医師が真犯人を追う浦沢直樹の人気コミック「MONSTER」まで。
いかにして犯人を見つけるかという推理ものよりも、いかにして無実を証明するかにスポットライトを当てた物語に惹かれてきました。
本作品では仕事でもプライベートでも足を運んで慣れ親しんできた街・仙台市内が舞台になっているために、より一層親近感が湧いてきます。
一国の首脳が爆殺されて無実の人間に火の粉が降りかかってくるというストーリーを聞いてもう1冊思い浮かべたのは、ドン・デリーロによって1988年に出版されている「リブラ 時の秤」です。J・F・ケネディ大統領とリー・ハーヴェイ・オズワルドという実在する人物をモデルにしたデリーロ作品よりも、金田貞義首相と青柳雅春という架空のキャラクターを活かした伊坂版に魅力を感じたのが決め手になりました。
ショッピングセンター内にテナントを構えている大型書店で、2020年の3月10日に購入しています。木工アーティストの三谷龍二が製作した彫像がプリントされている、素敵なデザインの表紙も良かったです。
Amazon Kindleおすすめする ゴールデンスランバー のレビュー②お気に入りポイント・満足な点
11月下旬のちょっぴり肌寒くなった仙台で、駅近くの地下街の一角にある小さなお蕎麦屋さんでオープニングを迎えます。
店内のテレビからは50歳の若さで総理大臣の座を射止めた金田貞義のパレードが映し出されていますが、突如として接近してくる1台のヘリコプター型のラジコンが何とも不吉です。
2015年の4月22日に首相官邸で発生した、ドローン落下事件を見事に予言したかのようなリアリティーあふれる描写でした。
主人公の青柳雅春がごく普通の宅配ドライバーでありながら、過去に暴漢に襲われかけたアイドルを助けたことで一躍人気者になっているという設定も大きな伏線になっています。
ある時はマスコミによってヒーローとして持ち上げられて、ひとたび風向きが変わると時の権力者や警察組織によって凶悪な犯罪者として貶められて。
熱しやすくもあり冷めやすくもあるメディアの軽薄な風潮と、国家権力によって監視とコントロールが強化されていく危険性を鋭くついていました。
ワイドショーのリポーターたちが青柳雅春が生まれ育った実家に押しかけて、父親にマイクを突きつける終盤のシーンが秀逸です。
「息子さんの無実を信じたい気持ちは分かりますが」という報道陣の問いかけに対して、「信じたいんじゃない、知ってんだよ。」という父の熱いセリフが忘れられません。
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Amazon Kindleゴールデンスランバー のレビュー③不満だった点
物足りないところを指摘するならば、エンターテインメントとしては一級品ながらも政治ドラマとしてはもうひとつ説得力不足である点でしょうか。
50歳という野党の党首としては若く知名度もいまいち低い金田貞義が、幸運にも首相選で勝利をつかむことになった詳しい理由が述べられていません。
アメリカの大統領選のような首相選挙制度が導入されている、パラレルワールド的な日本で物語が進行していくのもややこしかったです。
仙台地域で公営カジノが運営されていて金田当選を陰ながらサポートしたという大胆な着想も、それほど中盤以降の展開に絡んでこないのが残念ですね。
30冊以上の長編小説を世に送り出してきた筆者は、過去の作品に主役として登場したキャラクターをゲスト出演させるクロスオーバーという技法を得意にしています。
両足にギプスをはめていて余り自慢できない仕事を生業にしているという保土ヶ谷康志、超人的な身体能力を誇り善悪に捉われない価値観で動く通り魔のキルオ、警察庁から宮城県警に青柳逮捕のために派遣されてくる佐々木一太郎。
いかにも他の作品に出ても活躍しそうな魅力的な登場人物ばかりですが、いずれも今作きりの出演なので寂しく感じてしまいました。
まとめ
購入したきっかけ・理由や実際に使用した感想についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
ぜひこちらの感想も踏まえて読んで見ることを検討して見て下さい!
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