こちらの記事では、おすすめの書籍「 新装版 殺しの双曲線」を紹介しています!
「 新装版 殺しの双曲線 」面白そうですよね。ただ読む前に他の人が読んだ感想を確認しておいた方が良いでしょう。
この記事では、「 新装版 殺しの双曲線 」を実際に読んだレビューを載せています。ぜひご覧ください!
おすすめの書籍: 新装版 殺しの双曲線
書籍の概要 この作品は1979年5月に刊行された作品の新装版であり、講談社文庫から出版されました。
この作品の最大の特徴は2つの挑戦をしていることにあると言えます。
第1の挑戦は冒頭文にこの推理小説のメイントリックが双生児であることを明言してあることです 著者によればイギリスの作家ノックスが「双生児を使った替玉トリックは、予め読者に報せておかなければ、アンフェアである」と書いてあるために、読者にフェアに挑戦したいからだと書いています。
このような文言を書いてある作品は私の知る限りでは、他にはありません。
第2の挑戦はイギリスの推理作家アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」という作品への挑戦であります。
この作品の設定が「そして誰もいなくなった」の状況に酷似しており、登場人物にわざわざこのことを語らせています。
ただ似ている部分もありますが、もちろん違う点もあります。 この2つの挑戦に挑んでいる作品と言えます。
書籍の作者紹介 西村京太郎:本名は矢島喜八郎。
日本の小説家、推理作家。1930年9月6日生まれ。本書以外の代表作に「天使の傷跡」、「寝台特急殺人事件」、「終着駅殺人事件」などがある。
主な受賞歴は江戸川乱歩賞(1965年)、日本推理作家協会賞(1981年)、エランドール賞特別賞(2004年)、日本ミステリー文学大賞(2005年)など。
警視庁捜査一課の十津川警部や探偵の左文字進などのキャラクターを生み出した。
女流作家の山村美紗とは家族ぐるみの付き合いをする間柄であり、山村美紗が亡くなった時の未完作品を完成させる原稿を書いている。
おすすめの 新装版 殺しの双曲線 のレビュー①読んだきっかけ
この「殺しの双曲線」という作品は実は以前に読んだことがあって、非常に面白かった記憶がありました。
それ以来この作品を読んではいなかったのですが、この書籍に関するレビュー記事作成のタスク作業を目にした時に過去に読んで面白かった作品を思い起こしていました。
その記憶をたどっていった時にたどり着いたのがこの作品でありました。 ただかなり以前のことであり、引っ越しなどの際に処分してしまったのか発見できませんでした。
それでもう一度読んでみたいと考えて購入しに行ったところ発見したのが、この新装版の作品でありました。
この講談社文庫の新装版は私の記憶にある本の厚みよりも分厚くなっていて値段も少し高いように感じたのですが、どうしても読みたかったので購入に際する迷いはありませんでした。
購入したのは大阪は梅田にある紀伊国屋書店とい梅田駅前の書店です。
梅田方面に用事があったついでに立ち寄って購入しましたが、西村京太郎氏の作品の中では秀作と考えていましたので迷いはなかったです。
迷ったのはこの1冊以外に西村京太郎氏の他の作品を購入するか、他の作家の作品を購入するかということでした。
西村京太郎氏の他の作品も見ましたが、目に飛び込んでくるタイトルでこれは絶対に外せないというタイトルの作品はなかったので、他の作家さんの作品を購入しました。
おすすめする 新装版 殺しの双曲線 のレビュー②お気に入りポイント・満足な点
この作品はページを開くとすぐに「この本を読まれる方へ」から始まるこの推理小説のメイントリックが双生児を利用した替玉であることを明かしている点です。
これで読者はフェアな挑戦をしているなあと感心してしまうのですが、実はこの時点で読者は作者の意図する罠に落ちていることが作品を読み終えてからはっきりします。
このあたりのテクニックは作品読み終わってから「やられた」という感想を持ってしまうような素晴らしさがあります。
またアガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」をモチーフにしていることをはっきり語っている点もこの作品のほかの作品にはない特徴です。
著者である西村京太郎氏の「殺しの双曲線」とアガサクリスティー氏の「そして誰もいなくなった」のどちらかが作品として上なのかの格付けをしようじゃないかというメッセージが聞こえてきそうであります。
ただ私の中で格付けをするのであればこの作品の方が上になります。 というのはこの作品では東北の外部との連絡が途絶えた山荘で起こる連続殺人事件と東京での連続強盗事件が並行して展開していくからです。
東北での連続殺人事件が「そして誰もいなくなった」の状況に酷似しているのですが、東京での連続強盗事件の方は「そして誰もいなくなった」にはない展開です。
この全く別の場所での違う種類の事件がどのようにして1つの線でつながるのかというのを見せている意味でもこの作品の方が上だと感じます。
新装版 殺しの双曲線 のレビュー③不満だった点
この作品の出来が秀逸ですので、不満点や改善してほしい点を探すのは難しいのですが、しいて上げれば最後のシーンということになりますでしょうか?
というのは散々警察を悩ませてきた東京での連続強盗事件と東北での連続殺人事件との関連、真犯人が使った双生児トリックなどやっとの思いで解明した警察でしたが、真犯人の行方はつかめていませんでした。
すると犯人がなんと自分から警察に出頭して犯行について語りだしたのです。
真犯人は双生児であることを利用して罪を逃れようとするのですが、何もわざわざ自分から出頭しなくても良かったのではないか?という疑問があります。
自分から出頭しなくても警察の人間に発見されて取り調べを受けた時にしゃべればよかったのではないのか?とは少し思いました。
あとは犯人が身代わりにした男がいたのですが、この人間をどうやって他の招待客の目に触れないように誘い出して殺害することに成功したのか?といった点です。
とはいえ犯人は双生児を利用して殺人事件については否認をしていたのでこういったことはわからないのは当然ではあります。
理論的に追い詰めることが不可能と判断した警察は心理作戦で揺さぶりをかけるのですが、その時点で作品が終わっています。
犯人は動揺しているという記述があって終わっていますが、やっぱり全面自供にまで追い込んでからの供述も聞きたいという気持ちもありました。
まとめ
購入したきっかけ・理由や実際に使用した感想についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
ぜひこちらの感想も踏まえて読んで見ることを検討して見て下さい!