こちらの記事では、Amazon Kindleおすすめの書籍「コースアゲイン」を紹介しています!

コースアゲイン 」面白そうですよね。ただ読む前に他の人が読んだ感想を確認しておいた方が良いでしょう。

この記事では、「 コースアゲイン 」を実際に読んだレビューを載せています。ぜひご覧ください!

Amazon Kindleおすすめの書籍: コースアゲイン

北方謙三は、今では世間的にはハードボイルド作家のイメージが強いと思いますが、1970年に『明るい街へ』でデビューした当初は、いわゆる純文学作家でした。

ハードボイルド路線にシフトしたのは1900年に発表した『鐘はるかなり』からで、同世代の作家、中上健次の『岬』を読んで、自分にはこんな小説は書けないと「負けを認めた」のがきっかけだったと、日本推理作家協会編著『ミステリーの書き方』のなかで語っています。

そこから北方謙三は、文学短編からエンターテイメント長編をメインにした活動に方向転換していきます。現代を舞台にしたハードボイルド作品では、『渇きの街』で日本推理作家協会賞、1989年からは歴史小説の分野にも進出し、1990年には『破軍の星』で柴田錬三郎賞、1996年には中国史にも進出し、2006年の『水滸伝』では司馬遼太郎賞を受賞しています。

さらに北方謙三の勢いは衰えず、2018年からはアジア史にも手を伸ばし、モンゴルの英雄チンギス・ハーンを主人公にした『チンギス紀』の執筆を開始しています。『コースアゲイン』が発表されたのは2002年で、PR誌に連載された原稿をまとめて単行本になっています。

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Amazon Kindleおすすめの コースアゲイン のレビュー①読んだきっかけ

北方謙三の短編集は、ほかの作家との共著を除くと、全部でおよそ10作存在しており、『コースアゲイン』は北方謙三の単著としては最新の短編集に当たります。

本の購入は書籍の通販サイトhontoにておこないましたが、最近の書籍のため、一般の書店の店頭にあることもあり、ブックオフでも、たまに書棚にならんでいるのを見かけます。

短編集、と銘打っていますが、一作につき原稿用紙15枚という分量で書いていたと、日本推理作家協会編著『ミステリーの書き方』のなかで北方謙三は語っています。この原稿用紙換算は、何枚ならどれくらいのものを書けるのか、実際に小説を書かないとなかなか分かりにくいところはありますが、原稿用紙15枚はけっこう短いです。

ショートショートを書くくらいの勢いでいないと、枚数を超過してしまうと思います。長編のエンターテイメントをメインに書いている北方謙三ですが、その根本はヘミングウェイ由来のハードボイルドにあり、ハードボイルドという表現手法は、ヘミングウェイの氷山理論に代表されるように、多くの言葉を尽くして表現される対象を、簡潔かつ端的な表現へ言い換えること、言葉を「切り刻む」ことにあります。尺が短いほど、その「エッジ」は鋭さを増すのです。

Amazon Kindleおすすめする コースアゲイン ののレビュー②お気に入りポイント・満足な点

日本推理作家協会編著『ミステリーの書き方』のなかで、書評家の北上次郎に、あなたは短編書くのが、と言われたと、北方謙三本人が明かしているように、普段はいわば「長距離ランナー」の北方謙三が、そのパンチ力を圧縮し、「短距離ランナー」に徹したところに、この短編集の最大の魅力はあります。

北方謙三の短編集は、『コースアゲイン』以外にも出版されていますが、ここまで枚数の限定されたものは、ほかにはありません。その「圧縮」は、当たりまえですがプロットにも影響を与え、作中で起きる問題を、解決せず意図的に放置する、という手法に結びつきます。

例えば『既視感』という作品では、主人公の男のまえに、何十年もまえに付き合っていた年上の女性らしき老婆があらわれ、迷った挙げ句、主人公は声をかけますが、老婆は、認知症なのか明示的な回答をしないまま、物語は終わってしまいます。

老婆が、以前付き合っていた女性なのか、という問題が解決されないまま、小説は幕を降ろしてしまうのです。北方謙三は、『ミステリーの書き方』のなかで、こういうのが文学だと思う、と述べており、純文学の短編から作家生活を始めた北方謙三ならではの表現が、そこにはあると思います。

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Amazon Kindleコースアゲイン のレビュー③不満だった点

もっとハードボイルド感を出してもよいのではないか、と思いました。北方謙三の先輩にあたる、同じハードボイルド作家の大藪春彦というひとがいます。

彼の短編で『殺し屋誕生』(『殺し屋たちの烙印 初期短編集〈3〉』収録)という作品があります。そのストーリーは、ある日、拳銃をひろった主人公の青年が、ヤクザの抗争に巻き込まれていくなかで、殺し屋に化ける、というもので、最初の文から緊張感がゆるむことなく進み、最後のセリフで、投げられたボールを見事にバットで打ち返すような切れ味は、読む者を圧倒します。

先ほどから何度も引用している『ミステリーの書き方』のなかで、阿刀田高は、短編小説は技の冴えを鑑賞していただく世界である、という記述をしていますが、まさにそれを体現したかのような短編小説なのです。

かたや、この『コースアゲイン』には、そのような短編はほぼありません(強いて言えば『三年後』は、割りとしっかりしたオチが付いていますが)。

明確なオチを付けない、どこかもやもやしたまま物語を終わらせるつくりかたは、北方謙三が意図的におこなったことのようですが、これだけ作品の数があるのであれば、ひとつくらいは、ハードボイルドに寄せてもよかったのではないか、と思います。

まとめ

購入したきっかけ・理由や実際に使用した感想についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

ぜひこちらの感想も踏まえて読んで見ることを検討して見て下さい!

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