こちらの記事では、書籍「府中三億円事件を計画・実行したのは私です。」を紹介しています!
この小説は、2018年の「小説家になろう」において発表され、話題になりました。付注三億円事件は、犯人がいまだに捕まっていない事件です。
本作はそのタイトルと内容から、社会から大きな関心を集めベストセラーにまでなりました。
以下、読んだレビューを書いています。ぜひご覧ください!
おすすめの書籍: 府中三億円事件を計画・実行したのは私です。
紹介したい書籍は、『府中三億円事件を計画・実行したのは私です。』で、2018年8月に「小説家になろう」に投稿されネット上で話題を呼び、2018年12月に緊急発行に至った超話題作です。
この作品の概要は、1968年12月10日東京都府中市で起きた三億円強奪事件の実行犯であり著者でもある白田が、50年の時を経て事件の詳細を語るという物語です。
冒頭タイトルにも採用されている「府中三億円事件を計画・実行したのは私です。」から事件の独白が始まり、白田の大学生時代をどのように過ごしていたか、世間との関りが億劫で苦手な白田が唯一の友人ともいえる男性との関り方、憧れていた女性が友人の恋人になってしまうという淡い恋心、さして興味もなかったが交際に至ってしまう女性とのやりとり、また学生運動を経て事件を起こすまでの生活などを実に赤裸々に語っています。
なぜ事件を起こすことになってしまったのか、何が目的だったのか、3億円の行方はどうなったのか、思わず一気読みしてしまう作品です。
しかし、作者の白田については詳しいことが何もわかりません。本名なのか、ペンネームなのかも不明です。3億円事件もミステリアスですが、突如としてこの作品を発表した著者も実にミステリアスです。
▼商品のページはこちら▼
府中三億円事件を計画・実行したのは私です。
府中三億円事件を計画・実行したのは私です。 のレビュー①読んだきっかけ
この作品は、2018年8月「小説家になろう」に発表され話題作となりました。昭和の未解決事件の中でも、誰もが忘れることのできない衝撃的な事件で、一人も傷つくことなく3億円という大金がスマートに奪われ、犯人は未だに不明のままです。
今もなおテレビなどで取り上げられ、謎を解明しようと時折特番で放送されます。
そんな中での作品発表に世間は騒然となり、ベストセラーにまでなってしまいました。
この書籍を購入したのは書店で、その店ではこれまでに発表された3億事件を題材とした書籍とともに並べられていました。
閃光(角川文庫)や三億円事件の真実(文芸社)、真犯人―「三億円事件」31年目の真実(徳間書店)などです。
しかし平置きされた棚では『府中三億円事件を計画・実行したのは私です。』とストレートな表紙のタイトルに衝撃を受けました。
恐らく、幾人もの人が思わず手に取ったのではないでしょうか。
3億円事件から50年という節目に書かれた作品だけに、期待感が大きく他の作品との違いに思いを寄せながら、またタイトルからどのような内容で書かれているのかを想像し、更にこの作品を読まずに3億円事件は語れないのではないのかと、半ば強迫観念に駆られて読みました。
▼商品のページはこちら▼
府中三億円事件を計画・実行したのは私です。
府中三億円事件を計画・実行したのは私です。 のレビュー②お気に入りポイント・満足な点
白田は、反省を込めてこの作品を発表したと語っていますが、ペンネームは名字だけで何もかもが不明で、ミステリアスな印象です。
これも演出の一つなのでしょうか。3億円事件を題材にした他の作品を何冊か読みましたが、犯人の独白・反省という形で語る作風は初めてです。
高度経済成長期に起こった未曽有の事件でありながら、殺人は犯していないという何ともミステリアスな事件だけに、小説の題材として最適なのでしょう。独白から始まる冒頭は朴訥としていて、小説というよりも日記に近い描写で、誰かに読んでもらうというよりも、自分自身を振り返るような記述方式です。
これまでの作品では、刑事の目線で書かれたもの、改造白バイに焦点をあてたもの、目撃証言をもとにしたモンタージュ写真を描写したものなど、あらゆる角度から描かれてきました。
刑事目線の作品は、逮捕できなかった悔しさがにじみ出ており読者をも悔しくさせ、改造白バイに関してはクオリティーが高く感心させられます。
そこへ新しい着眼点で描かれたこの作品は、反省が所々に描写されており、今までの作品とは一味違った印象を与えます。
誰も傷つけずに3億円を奪い、逃げ切ってしまうという未解決事件のロマンを前面に打ち出した新しい作品です。
府中三億円事件を計画・実行したのは私です。 のレビュー③不満だった点
赤裸々に語られる昭和の大学生活は、現在の大学生たちとはかけ離れており、時代を感じてしまいます。
書籍の帯には、「私の青春そのもの」と書かれており、読む前は3億円事件を起こし逃げ切ることが青春なのかと思っていましたが、最後まで読み進めると3億円事件というよりも恋愛小説を彷彿とさせる内容に終始していました。
3億円事件に至るまでの道のりは長く、著者自身の恋愛事情やまとまりのない生活感がイライラさせる一面を持っています。
学生時代の背景はくどいほど繰り返して描写されており、時折読み飛ばしてしまうこともありました。
さらに、この事件を計画し実行するという一番のだいご味が実にあっさりしたもので、新事実もなくがっかりしたことは否めません。
結局この作品が描きたかったことは、何だったのかと考えました。3億円事件の独白ではなく、恋愛小説なのかと思ってしまう結末です。
この先も、事件発生から何年という節目の年になると思い出したようにこの事件を題材にした作品が出てくるでしょう。
すでに時効も成立し逮捕される心配もないことから、本当の犯人が独白というこの作品を超える形で語ることを願ってしまいます。その時には、犯人しか知りえない新しい真実に重点を置いて描写してほしいです。
▼商品のページはこちら▼
府中三億円事件を計画・実行したのは私です。
まとめ
購入したきっかけ・理由や実際に使用した感想についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
見てきた通り、特徴は以下の通りです。
- 社会の関心を大いに集めた作品!
- 3億円事件にくわしいひとは、ちょっと物足りないかも
▼商品のページはこちら▼
府中三億円事件を計画・実行したのは私です。